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2013年1月12日 (土)

ざくろさんが

わたしの溺愛する、超溺愛するざくろさんが天に召された。

昨日の日中までは、いつも通りにゲンキだった。

夕方、ちらりと文鳥ズのケージを見ると、つぼ巣の中で奥さんのりらちゃんに羽づくろいをされているようだった。

実はマザコンのくせにええかっこしいのざくろさんは、りらちゃんに羽づくろいをされているところを見られるのが大嫌いで、見られているとわかった瞬間、りらちゃんに、
「そういうの、やめてくださいよっ」
とばかりにりらちゃんに冷たい態度を取り、そのたびにりらちゃんは、
「わたし、なんか悪いことした?」
と混乱するので、羽づくろいされているときは気付かれないうちに見えないところまで移動するのが常だった。

夜8時、いつものようにケージの置いてあるラックのスクリーンを下げるとき、りらちゃんだけがつぼ巣の外にいて、ざくろはつぼ巣の中にいた。

このつぼ巣、取り付けるときの角度がイマイチで、ケージの外から見ると、つぼ巣の中に死角ができるのだけれど、りらちゃんが白内障(おそらくほぼ全盲)なので、下手に角度を変えることができずにそのままにしていた。

スクリーンを下げ「小鳥の夜」にするときは、たいていざくろがつぼ巣の外にいて、りらちゃんはすでにつぼ巣の中で寝ていたり、2羽一緒につぼ巣の中にいたりするのだけれど、ごくたまにりらちゃんが外で、ざくろがつぼ巣の中、ということもあったので、そう不審には思わず、
「ざくろはもうねんねしてるのね、おやすみ、また明日」
と言ってスクリーンを下げた。

まったく健康に問題がなさそうに見えた小鳥が突然息を引き取るのは珍しくないことで、「小鳥の夜」のときには1羽1羽に「おやすみ、ゲンキでね。また明日」と挨拶しながらスクリーンを下げるのだけれど、いつも「これが最後の会話かも」と覚悟していた。

最愛のざくろさんには、
「ざくろはままちゅんとずーっと一緒にいてね」とか、
「ざくろがいなくなったら、おかーちゃんはどうしていいかわからないから、ずっとゲンキでね」とか、
「ざくろが死んだら、おかーちゃんは生きていけないよ」
とか言っていたのに…。

今朝起きて、文鳥ズに挨拶をすると、ざくろとりらちゃんのケージは、りらちゃんだけが止まり木に止まっていた。
ざくろはつぼ巣の中にいるようだったけれど、声をかけても出てこない。
まさかと思ってつぼ巣に手を入れると、もう体が硬くなったざくろさんがいた。
体の位置が、昨日りらちゃんが羽づくろいをしていたときと変わっていないようにも思えたので、もしかするとあのあたりからもうダメだったのかもしれないとも思ったけれど、いつも眠るポジションだというだけのことだったのかもしれない。

つぼ巣から取り出して、夫に写真を撮ってもらって、しばらくざくろさんに話しかけていた。
手の熱が伝わるうちに、生き返るのではないかと思いつつ、
「ざくろはおかーちゃんが『立派なお寿司になりますように』って、きゅっきゅっきゅっって挿し餌をしたのよ」(「お寿司」というのはわが家で「握り文鳥」のこと)とか、
「ざくろが死んだらおかーちゃんはどうしていいかわからない、っていつも言ってたのに…」
とか、普段と同じように語りかけた。

そのあと、小さな空き缶にティッシュを敷いてその中にざくろさんを乗せ、庭のビオラとスイート・チャリオットと、文鳥たちのために抜かないでおいたハコベを摘んで一緒に入れた。

道中、お腹が空かないように、麻の実とペレットを入れ、三途の川の渡し賃として500円玉をひとつ入れて、また写真を撮ってもらった。

それから、庭のあこちゃんとくるみちゃんのお墓の隣に穴を掘って埋葬した。

いつかこんな日が来るという覚悟を毎日していたせいか、それともまだ実感がないのか、悲しいというより呆けた感じで涙も出ない。
わが家の文鳥ズはみんなカワイイけれど、やはりざくろさんが一番愛すべき存在だった。
獣医さんに感心されるほど美しく、鳥とは思えないほど賢く、そしてけっこうお間抜けで、声量のある美しい声なのに、毎回アドリブで「ぢーゆ!」という濁った音を入れないと気がすまない、そんなざくろさんが、おかーちゃんに黙ってあの世に旅立ったなんて信じられない。

生きているうちは「ざくろさんが死んだら自分がどうなってしまうのか、考えるだけでも怖ろしい」と思っていたけれど、今はざくろがいないわが家、ざくろがいない世界なんて信じられない、と思っているので、それが実感できるまではペットロスにはなりそうもない。

ざくろさん 2006.01.01~2013.01.12 享年7歳。
勝手に天に召されるなんて、おかーちゃんには許せませんが、渋々ながら合掌。

下の写真は、生後1ヶ月くらい。飼育書に書いてある倍くらいの期間、挿し餌を食べていた「永遠の赤ちゃん」でした。

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